種子島の恵み、めぐる季節の物語|島宿HOPE
島宿HOPE|Tanegashima Shimayado HOPE 種子島の農産物、めぐる季節の物語
HARVEST NOTEBOOK

めぐる恵みの物語

北限と南限が出会う種子島で、一年中途切れることのない実りをめぐるノート。

第一章 — 北と南が出会う畑

北の作物と、南の作物が出会う島

この島に降り立つと、まず驚くのは空の広さと、海の青さ。そしてもうひとつ、忘れてはいけないのが「畑」の豊かさなんです。実は種子島、日本の中でもちょっと珍しい場所だということ、知っていましたか?

種子島は、北緯30度、黒潮の流れる海に抱かれた温暖な島。実はここ、いろんな野菜や果物にとっての「北限」と「南限」が、ちょうど重なり合う場所なんです。少し不思議な話ですよね。本来なら、北で育つ作物と南で育つ作物は、出会うことがありません。でも種子島では、その両方が同じ畑の風景の中で、一緒に育っているんです。

だからこそ種子島では、一年を通して畑に何かしらの実りがあります。昔からこの島には「飢えを知らない島」という言い伝えがあるほど。海に囲まれた小さな島なのに、こんなに豊かな大地があるなんて、少し誇らしい気持ちになりませんか。

島の宝物

種子島を代表する存在といえば「安納いも」。安納地区の土で育った、蜜のようにとろける甘さのさつまいもです。今では全国にファンを持つブランド作物になりましたが、もとはこの島の人たちが大切に育ててきた、まさに"島の宝物"なんです。

北限の恵み

暖かい気候を好み、これより北ではなかなか育たない作物たち。南国らしい甘さとたくましさが持ち味です。

サトウキビバナナ

南限の恵み

本来はもっと冷涼な土地を好む作物が、ぎりぎり育つことのできる南のさかい目。繊細な甘みが特徴です。

イチゴ
第二章 — 季節をめぐる恵みごよみ

一年中、途切れない実りの島

ここからは種子島の畑を、季節ごとにゆっくりご案内していきますね。

1

3月〜5月

畑がふわりと動き出す季節。冬の間じっくり育った新じゃがいもが、そろそろ食卓に届きはじめる頃です。2月の終わりから3月にかけては、あの独特の濃厚な甘さを持つ「タンカン」もちょうど食べごろ。皮は少し剥きにくいけれど、口に含むとオレンジよりも甘くジューシーで、思わず頬がゆるんでしまう味です。空豆も、この時期の畑を彩る顔ぶれのひとつ。そして春といえば、忘れてはいけないのがお茶。種子島は「日本でいちばん早くお茶が摘める島」としても知られていて、あたたかな気候のおかげで、他の産地よりひと足早く、みずみずしい新茶の香りを楽しむことができるんです。

2

初夏6月〜7月

太陽の光がぐんと強くなるこの時期、種子島の畑がいちばん南国らしくなる季節かもしれません。パッションフルーツの収穫がはじまるのがこの頃。切ってみるとぷるんと現れる、甘酸っぱいゼリー状の果肉に、思わず笑みがこぼれます。畑のあちこちで夏の気配が濃くなっていく、そんな季節です。

3

盛夏7月〜8月

太陽が本気を出す季節。畑のサトウキビはぐんぐん背丈を伸ばし、青々とした葉が風に揺れます。この時期いちばんの主役は、なんといっても南国特産の「アップルマンゴー」。樹の上でじっくり完熟させてから収穫する、種子島らしい育て方で、糖度も香りも申し分なし。夏の贈り物としても、島の人たちに愛されている果物です。そしてもうひとつ、この季節ならではの果物が「ドラゴンフルーツ」。月夜に花を咲かせるという少し神秘的な植物で、切ると現れる鮮やかな断面はまさに夏の畑のごちそう。さっぱりとした甘さで、暑い日にもすっと体に染み込みます。

4

9月〜11月

夏の暑さが少しずつやわらぎ、畑がしっとりと落ち着いてくる頃。この季節の主役はやっぱり「安納いも」です。土の中でじっくり甘みを蓄えたお芋が、次々と掘り起こされていく光景は、まさに種子島の秋の風物詩。ふかしただけでスイーツのような甘さになる、この島ならではの実りです。

5

12月〜2月

一年の締めくくりとなるこの季節、畑ではサトウキビの収穫がピークを迎えます。刈り取られたキビは黒糖へと姿を変え、島の甘さとして人々のもとへ届いていきます。そして、あたたかな気候を生かした「早掘り新じゃが」が出まわりはじめるのも、実はこの時期。他の産地よりひと足早く、みずみずしい新じゃがを味わえるのも、種子島ならではの贅沢です。柑橘も、この季節から彩りを添えはじめます。まずは「ぽんかん」がひと足先に登場し、ぷりっとした果肉と爽やかな甘みで冬の畑を華やかにしてくれます。年が明ける頃には、次のタンカンも少しずつ色づきはじめますよ。

こうして一年を巡ってみると、種子島の畑には、季節の切れ目がほとんどないことに気づきます。北の実り、南の恵み、その両方がいつも重なり合いながら、この島の食卓を彩ってくれているんです。海も空も、宇宙まで。この島の時間の流れの中で育った野菜や果物たちを、ぜひ一度、味わいにいらしてくださいね。

Shimayado HOPE, Tanegashima